「主よ風になって私の心の風車を回して下さい」/壮年会/T・Y
 私は、洗礼を受けてから今年で、早や四年目です。振り返ってみますと、何か見えない糸で、導かれていたように思われます。十八年前、自閉症(知的障害)の次男が保育園に入るときが、始まりかと思います。当時の社会状況で、障害児の入園受付は、キリスト教系だけでしたから。十四年前に、入会した水泳教室も、そうでした。神学院教会の市ヶ尾CSに、お世話になり始めたのも、ちょうどその頃です。初めは、家内が同行していました。子供が中学に入った十年前から、私が同行するようになりました。このように、私達夫婦は、恵みの糸に、引き寄せられてきたかのようでした。

 しかしこの頃からか、家庭の中では、親子の会話が途切れて、トラブルの兆が出始めていました。長年勤めた私の職場の定年退職直前に、トラブルは爆発し、不測の事態が予測されたので、私は五ヶ月ほど、家を出ました。家庭崩壊は、何としても防ぎたかったので、家内と相談して「生まれ変わってやり直す」こととし、そのため、入信を目指して礼拝に通うことにしました。六年前の四月のことです。同時に私は、家に戻り、内定していた会社に再就職しました。トラブルは、良き解決策が与えられ、小康状態になりました。

 求道生活三年目の秋、突然家内が腹痛で緊急入院し、検査の結果、直腸癌と解り、余命は一年乃至一年半と宣告されました。私は、大変動転しましたが、会社を退職し、看病に専念することにしました。家内の手術は、教会の先生方や信徒の方々の篤いお祈りにより無事完了しました。しばらくしてから、家内に入信を促しましたが、退院してから、行いたいとのことなので、私が先に救いの恵みに与かることにしました。1997年12月9日、神様に今までの過ちを告白して、赦していただけるようお祈りいたしました。主任牧師から、ヨハネの手紙第I・一章九節「もし私たちが自分の罪を言い表すなら・・・すべての悪から私たちをきよめてくださいます」等の御言葉を与えられ救いの信仰に立たせて頂きました。家内は、翌年二月に入信し、五月に洗礼を受けました。

 家内が救いの恵みに与かってから召されるまでの八ヶ月間、私達夫婦は、家内に残された限られた時を、本当に平安に過ごさせて頂けた幸せを心から感謝いたしました。それは、お互いが、心を神へ向けたお祈りにより、私達の過去にまとわりつく重荷と、未来を覆う思い煩いが取り去られたためです。

 だれでも知っている、オモチャの風車は、自分の方から吹くと、決して回らないそうです。風が吹いて来る方へ向けないと。

 私の心の風車を回して下さいましたのは、ただイエス様だけです。
 贖いと聖霊で。

 主よ、風になって、
 私の心の風車を
 いつまでも回して下さい。